2022.06.24 LIFESTYLE

これはNG!レンズ寿命が縮まる、やってはいけない4つの行動

プラスチックレンズの寿命は2〜3年

プラスチックレンズの寿命は2〜3年です。
軽量で割れにくいなどメリットの多いプラスチックレンズですが、
熱やキズに弱く、デリケートであるというデメリットも。
プラスチックレンズのトラブルの大部分は
レンズの表面コート膜部分に集中しています。
特性をよくご理解いただき、やさしく取り扱いましょう。

メガネの扱い方や毎日のケア方法でレンズの寿命を長くすることができます。
例えば、自動車の表面に付いたキズの大部分は修復できますが、レンズの場合は一度キズがついたら直せません。
知らず知らずに毎日少しずつ付いたレンズのキズ。
気づいた時には「遅かった…」という事態を避けるために、取扱い方には注意しましょう。

 

プラスチックレンズの特性とは?

プラスチックレンズは3層構造になっています。
ベースのレンズ基材は柔らかいため、強度を高める樹脂「ハード膜」、
その上に反射を抑える「反射防止コート膜」がコーティングされています。
プラスチック(レンズ基材)と「ハード膜」は高温になると膨らむ性質がありますが、
「反射防止コート膜」にはその性質がありません。
そのため「熱」によりレンズ基材が「膨張」して
コーティングが割れることがあります。
そして、一度コート膜が剥がれると再生させることができません。
普段から、メガネレンズをキズ付けないよう注意しましょう。

 

メガネレンズの大敵は熱と傷! やってはいけないNG行動とは?

1.熱にさらす

プラスチックレンズは常温より少し高い温度(55℃以上)になると、素材が急激に膨張する性質があります。
この膨張により、レンズ表面に大きな引張応力が生れ、この力に耐えきれずに、コート膜が破壊されるというのがヒビ割れ(クラック)の原因です。
また熱によってレンズが変形し、レンズがフレームから外れたり、度数が変化して見え方に影響を及ぼすことも。
メガネを洗う際はお湯はNGなので水洗いしてください。

真夏の炎天下の車内(特にダッシュボード)に放置したり、メガネをかけたままサウナに入るのは避けましょう。
また、ヘアードライヤー 、ファンヒーターなどの熱風も危険です。
日常生活の中で気がつかないうちに、高温にさらすケースも多いので、
アイロン、ストーブ、ホットプレート、コンロ、火の付いたタバコ、炭火など高温の物に近づけないでください。
ついうっかりが重なると、ヒビ割れ(クラック)に繋がります。
一度できたヒビ割れ(クラック)は修復できないので、注意が必要です。

注意したい熱
・サウナ
・夏の車内
・料理の油跳ね
・焼肉、バーベキューなど
・入浴、温泉
・ドライヤー
・タバコ

2.メガネを使用しない時、無造作に置く。

鞄の中にむき出しのまま入れたり、下向きに置くのはNG。
メガネを外したら、レンズ凸面を上向きにして置いてください。
下向きにして置くのはキズやコートはがれの原因となります。
メガネを使わないときは、メガネケースにしまいましょう!

こんな行動がレンズにキズをつけるので要注意!
・バッグの中にそのまま入れる
・首から下げて机にぶつける
・引き出しの中に無造作に入れる
・胸ポケットに入れる

 

3.ティッシュや洋服で拭く、または乾拭きはNG!

プラスチックレンズはもともと素材が柔らかいため、表面に硬さを補うコート膜が施されていますが、やさしい取扱いをしないと傷が付きやすい性質です。
特にレンズを拭き取る際には、乾拭きは避け、力を入れず、やさしく汚れを拭い取って下さい。

屋外はチリ・ホコリがたくさんありますので、拭く前に、チリの吹き飛ばしや水洗いをするのも重要です。
レンズにゴミやホコリ等が付着している時は、ます水洗いをして、ティッシュペーパーで軽く押し拭きをして、水気を取ってから、定期的に洗濯した専用のメガネ拭きで拭いてください。
乾拭きは、キズやコートはがれの原因となります。
メガネクロスは洗って使いましょう。

チリやホコリ、車が巻き上げる鉄粉などの異物

空気中にはチリやホコリ、ペットの毛、花粉など、さまざまなものが飛んでいます。これらは、一見きれいに見えるレンズの表面にも付いていることがあり、キズだけでなくメガネ拭きのヨゴレの原因にもなっています。

レンズに異物が付いた状態で乾拭きすると、軽く拭いたつもりでもレンズの表面がキズ付いてしまいます。コーティングでキズを防ぐには限界があるので、メガネレンズとメガネ拭きは、異物のないキレイな状態にしておくのが理想的です。

乾拭き 異物に擦られて発生するキズ

4.洗剤・薬品を使って洗う

指紋や汗などの油汚れがレンズに付着している場合、洗剤で洗うのはNGです。
プラスチックレンズの硬さを補っているハード膜は、塩分(汗や海水)やアルカリ分(石鹸や洗浄剤)などによって、劣化速度が速まる性質があります。
手洗い用の石鹸や、シャンプーなどの洗浄力の強いもので洗ってしまうと、コーティング剤が剥がれる原因となります。
レンズ表面のコート膜にキズやクラックがある場合には、特に劣化速度が速くなり、やがてコート膜に剥離を生じてしまいます
洗浄後は水分が付着したままだとサビやシミの原因になりますので水滴が残らないようにしっかりと拭き取りましょう。
水だけでは汚れが綺麗にならない場合は、メガネ専用のクリーナーを使用し、優しく拭き取りましょう。

 

プラスチックレンズは経年劣化する?

紫外線、熱、水分などの吸収によって素材の色は経年劣化します。
無色レンズは、透明からやや黄ばんだ色に変化します。
メガネを使用中に片方だけ新しいレンズに交換すると、左右の色調が合わなくなってしまいますので、
レンズ交換の際は左右同時に交換することをおすすめします。

 

コートが剥がれたら?

メガネレンズは非常に繊細なので、使用条件によってはキズがついたり、コート膜が剥がれたりします。
ひび割れした状態で使用したり、薬品などがレンズに付着したりするとコーティングが剥がれる原因となります。
さらに汚れと勘違いして拭いてしまうと、剥がれが広がってしまいます。
これは見え方にも影響するため、レンズ交換が必要です。
少しでも「見づらい」「違和感がある」と感じたら早めの交換することをおすすめします。