2020.05.01 LIFESTYLE

家で過ごすのに最適だから、いま一度、中近レンズについて

中近両用レンズ、ご存じでしょうか。3月10日の記事でも紹介しておりますが、少々補足といいますか、別角度から説明してみようと思います。

遠近両用レンズは、皆さんご存じですよね。遠くから手元まで様々な距離の見え具合を助けてくれるレンズです。分かりやすく言えば、遠くの風景から手元の新聞まで、切れ目なしにピントを合わせることができる、とても便利な多目的レンズです。 大雑把に言えば、1枚のレンズの「上」「中」「下」が、それぞれ「遠く」「中間」「手元」を見るためのゾーンになっています。つまり、ひとつのゾーンに割り当てられるのは、単純計算で3分の1。実際には複雑な仕組みで、手元に割り当てられる面積は3分の1より狭いのが一般的です。 一方、中近両用レンズは、1枚で「中間」「手元」の距離をサポートするレンズですから、同じように単純計算すると、それぞれの割り当ては2分の1ずつ。つまり「遠く」を見る機能を持たない代わりに、「中間」「手元」の視野がぐっと広がっているわけです。いわば「中間」「手元」に特化したスペシャリスト的なレンズ。視野が広がり、見ることが楽になれば、眼精疲労の軽減も期待できるわけで、快適・リラックスはもちろん、たとえばそれがビジネスシーンであれば効率アップにつながるかもしれません。

では中近両用レンズは、どのぐらいの距離をサポートしてくれるのか。「手元」はなんとなく分かるけれど、「中間」というのがピンとこない。たぶん、そう感じるのではないでしょうか。一般的には2、3メートルと言われていて、つまり手元で細かな作業をしながらテレビも見るとか、ミーティングで資料に目を通しながらプロジェクタの映像を見るなどに適しているわけです。またレンズのグレードやそれぞれの感覚にもよりますが、5メートルぐらい先を見る時も不便は感じないという声も聞きます。言い方を変えるなら、広大なお屋敷でない限りは、部屋で過ごす大抵のシーンが便利で快適になるといえます。だから中近両用レンズは、別名「室内用レンズ」と呼ばれています。室内で過ごす時間が増えていて、なおかつストレスがたまりやすい今の状況だからこそ、ぜひ試していただきたいレンズです。

ただし、注意点もあります。「中間」「手元」に特化していますから、自動車の運転にはおすすめできません。遠近両用をお持ちの方のプラス1本としてお考えいただくのがいいでしょう。遠近と中近。状況に応じて使い分けることで、暮らし全般がとても快適になる。今の時期だからこそ、ご検討してみてはいかがでしょう?