遠くはよく見えるけど、近くは見えない…。そんな時、遠近両用と中近両用のどちらを選べばいいの?
最近では 「中近両用レンズ」という商品の認知度も高まって来たように思えますが、どうもチョイスミスが多いような気がしています。
遠くは良く見えるけれども、近くがよく見えずに不便なとき、メガネ屋さんは、どんなメガネを進めるのでしょうか?
遠方視力の良いお客様に遠近両用レンズ?
細かく言えば、多種多様なレンズがあるのですが、大きく分類をすれば「遠近両用」「中近両用」「近近両用」「単焦点老眼鏡」の4つになります。
よく見かけるミスマッチ例としては「遠方視力の良いお客様に遠近両用レンズを販売する」というものです。
この遠近両用レンズを慣らして常用を勧めるのですが、残念ながらお客様には掛けてもらえないのではないでしょうか?
元々、普段は困っていないわけです。
100点満点の見え方なわけです。
困っているのは、手元視力だけです。
遠近両用メガネを掛けると、必ず一定の違和感、霞みが発生してしまいます。
つまり、普段は100点であった視生活の状態から下がってしまうわけです。
ましては目の前、鼻の上にモノを乗せる違和感もあります。
今までメガネを掛けてきた遠くの視力も悪い方であれば、少し違和感があっても「よく見える」というプラス面があるので我慢できますが、元々が100点視力の方には不満の方が強いのではないでしょうか?
手元視力のお困りなら〈中近両用レンズ〉がおすすめ!
この場合、中近両用メガネをお勧めします。不便なのは、手元視力だけなわけですから。
単焦点老眼鏡でも手元視力解決はできますが、頻繁に掛け外しの必要が出るため別な不便も出てしまいます。
・多分、遠近両用メガネは外では使用しない。
・でも、単焦点老眼鏡では掛け外しが不便だし、仕草的にもお勧めしたくない。
・手元視力解決は、遠近両用よりも中近両用の方が優れている。
・後々に、遠く視力が低下して遠近両用にする場合にも見え方慣れの効果もある。
・室内用メガネとして中近両用の方がおすすめ。
お客様は、色々と知っているようで知らないものです。
今回のようなケースに、「お客様が欲しいと言ったから」と言って遠近両用をそのまま販売するのはプロとして不親切だと思います。
お客様の言葉の裏にあるものまで推察、ヒアリングをして対処をするのが、本当のプロではないでしょうか。
ドリルを買いに来たお客様は、ドリルが欲しいのではなく「穴」を開けたいわけです。更に言えば、木材に穴を明けて収納棚を作るのが目的かもしれません。つまり、お客様はドリルを買いに来ても、最終的に欲しているのは「収納」ということになります。(「メガ認知」というそうです)
メガネは、お客様一人一人に合わせて作るオーダーメイド品です。
売り手側は一手間、二手間を大切にする必要があると思います。
きちんとヒアリングができて、最適なメガネを提案してくれる信頼できるメガネ店を選びましょう。